2020年05月31日

熊との遭遇 絶体絶命編3(全4編)

昨年9月上旬に岩手三陸で単独イワナ釣りをした。

初日、盛岡駅からレンタカーで宮古まで移動して、磯鶏地区のホテル大江屋に泊まった。
13年ぶりの宮古は懐かしくて寂しかった。

前回は旅行を兼ねて同窓会に立ち寄ったんだっけ。
おおいちゃんとかみんな元気かな。
2011.3.11の数日後に彼と電話がつながって、「おお、なんとか生きてんぞ。家はぶっ壊れて、2階が1階になっちまって」と気丈にも笑いながら話してくれた。

父が運輸省港湾建設局に勤めていて、いわゆる転勤族で、千葉、藤沢、釜石、宮古、小名浜、相模原と引っ越し転校を繰り返した。
小学校2〜3年のときに宮古で暮らして磯鶏小学校に通った。
大江屋は磯鶏小から目と鼻の先だ。

フロントの上品そうなおばちゃんとキュートなお姉さんに

「昔この辺りに海鮮料理屋があって、当時家族でよく食べに来たんだけどね。エビフライがでかくてうまくて最高だった。」

と話をしたら、

「あっ、それってうちですよ。震災前まではお店もやっていたんですけど、津波でダメになっちゃったんです。」

とお姉さんが言った。
なんと残念なことだ。ホテル再開もそれはそれは大変だったことだろう。
今回は素泊まりたけど今度来るときはぜひ食事付きにしよう。

朝7時前にチェックアウトをして沿岸沿いを南へドライブした。
白く巨大な堤防が視界の半分を遮った。

1時間もかからずに釜石に着いて、昔住んでいたあたりをグルグルとまわってみた。
見覚えのある団地やグラウンドはあったが、あのオンボロ公務員宿舎跡地に建てられた企業の建物が見つからない。
かわりに、見覚えのない学校があって釜石高校と書かれていた。

テニスコートにはユニフォームの異なる大勢の部員が集まっていて、どうやら地元の大会のようだった。
あとから知ったのだが、あの企業はだいぶ前に移転か閉鎖となり、大津波のあとに釜石高校が移転したそうだ。

あの震災を経験した生徒たち、これからの人生また困難にあっても頑張って乗り越えてほしい。

イワナを求めて出かけたのは釜石の海に注ぐとある川の上流部だ。
上流部といっても人里離れた山のなかではなく、すぐそばに民家があるようなところだ。
空は快晴で気温はぐんぐんとあがり、長袖Tシャツ1枚でも汗ばむほどたった。

浅瀬から小型のヤマメが何度も飛びだして、巻き返しや落ち込みからはイワナが釣れた。
もう15年以上も前の話になるが、この川では37cmと32cmの巨大イワナを釣ったことがある。
今回も待望の大物を釣り、37cm級にはほど遠いがそれでも30cmはあったと思う。

浅瀬に人工物(アスファルト)のエグレがあって、ちょうどそのエグレたところに水が流れんでいる。
その幅わずか5、60cmほどの小さなポイントだが大物が潜む場所なのだ。

このポイントの水際にパチンを毛ばりを打ち込んで、スーッと流心に寄せてエグレの手前に流していく。
すると奥に隠れていた大きなイワナが姿を現したが、毛ばりに食いつかずクルリと1回転して戻っていった。

「やっぱりデカいのいたな」

と一人でニヤニヤする。

深呼吸をして数十秒ほど間をとってから、もう一度同じように水際に毛ばりを打ち込む。
今度は流れには乗せずに水際のたるみでくるりと円を描いてみた。

再び大イワナが姿を現して、クルッと1回転してからパクッと毛ばりを咥えて反転した。
それ来たっ、と合わせを取ると竿が大きくしなった。

エグレに潜りこむイワナを竿の弾力を使って引き留める。
確実に上あごに針を刺したはずなので、下手をしなければバレることはない。
竿とラインが伸びないように立ち位置を変えながらエグレから引きずり抜く。

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二股を過ぎると、川の流れは1、2歩で跨げるほどの細沢になっていった。
時刻は午後2時、帰りの時間もあるのでここで納竿。

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リュックにつけた熊避けの鈴二つをチリーンチリーンジャラジャラと鳴らしてから、水際にしゃがんでイワナの腹を裂いてきれいに処理をする。
しゃがみこんだままビニール袋に入れた魚の水きりをする。

ツーっと滴りおちる水を寝不足の目でぼけーっと眺めていた、そのときだった。
目の前の対岸に、黒くて大きいモコモコしたものがこちらに向かってきた。

続く。


前記事:2020年05月10日 熊との遭遇 絶体絶命編2
http://teamiwana.seesaa.net/article/475018594.html
posted by チームイワナ初代名誉会長 at 18:33| Comment(0) | 釣り・アウトドア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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