2006年05月06日

信州釣りテニツアー<続編>

5月1日(月)

朝8時にアチチ温泉で目を覚まし、窓の外に浮かぶ浅間の森を眺めながら朝食をいただく。味量ともによし。どうやらぐっさんは昨晩食べ足りなかったらしくモリモリと食べて、キングもご飯おかわり三杯と、学生たちは朝から実によく食べた。

チェックアウト後に愉快な仲間たちと別れ、キングを乗せていざ開田高原へ。空は晴れ渡り気温は22度、運転席は半袖でちょうどいいくらいだ。R19に入ると両側の峰が徐々に迫ってきて、ところどころ山桜が緑に映えた。

木曽福島の渓に少しだけ寄り道してみた。峪の先に駒ヶ岳を望む。

木曽福島の渓.JPG

白泡の下からヤマトイワナ25cmが顔をだした。黄金色の輝きが見事である。

イワナ060501a.JPG

九蔵峠からの御嶽山。

御嶽山.JPG

開田高原の沢と残雪。倒木が目立つ。2年前の台風で沢はボロボロになってしまったのだそうだ。

残雪の渓.JPG

上の写真の先の巻き返しからみごとなヤマトイワナが飛び出した。希少種ヤマトイワナ。流れに戻すとゆっくりと体をゆらしたのちに素早い動きで白泡の下にもぐりこんでいった。

ヤマトイワナ060501b.JPG

宿はやまかの湯。すぐ脇を西野川が流れ、そして部屋の窓からは御嶽山が一望できる。清潔な部屋においしい食事、温泉、フロント応対全てよく素晴らしい宿である。

5月2日(火)

翌朝目が覚めると外はどしゃぶりだった。気を取り直してまずは温泉に入って朝食をいただき、布団の上でぼけーっとしていると次第に雨足は弱まって、チェックアウトの頃にはほとんど止んでいた。

すぐ裏の水芭蕉群生地に寄ってみた。

水芭蕉.JPG

木曽馬の里にて。近づくと子馬は怯えて奥に引っ込んでしまった。

木曽馬.JPG

北海道の道産馬、九州宮崎の御崎馬、そして木曽馬が日本古来の三大在来種。江戸時代末期から明治初年にかけて開田村は木曽馬の主産地として天下に名声をはせる。全盛期には1500頭もの木曽馬が人間と同じ屋根の下で飼育されていたという。太平洋戦争の悲劇によって純系木曽馬は絶滅の危機に瀕してしまうが、関係者の努力によって20余頭の子孫が純系木曽馬として、開田村を中心に保護育成されている。


<あとがき:遥かなる開田高原>

実は開田高原には相当な想い入れがある。これを語るということは私の渓流史を10年ほど振り返ることになるのだが、少しだけ話をすると、渓流釣りの虜となって間もない頃に購入して繰りかえし読んだ「渓流釣り入門」(辰巳出版)という雑誌があって、そのなかの「山の博物誌を訪ね歩く“渓の旅”親愛なる山の住人たちへ」というコーナーで開田高原末川が紹介されていたのだ。季節は夏祭りのころ。夕立で濡れた道でお神輿をかつぐ子供たち、野草に埋もれるように佇む水車とせせらぎ、そして末川で毛鉤を打つ一人のご老人。「わたしら子供時代は何もなかったんだ。草の葉っぱで上手に音を出す人がいて教えてもらったんだよ。」と語るそのご老人は、白樺の丸太に腰掛けて草笛を吹いていた。

その方は中村輝夫さんといって釣りの名人であり草笛の名人であった。中村さんは草笛の演奏で海外に何度もでかけていて、またTVの旅番組で紹介されたこともある有名人だったのだ。だったと過去形なのは、すでに他界されていたからだ。そのことはやまかの湯の若女将さんに聞いた。まことに残念なことである。旅立つ前に望岳荘(中村さんがここのあるじと記されていた)のHPを見つけたところ、ご主人の名前が変わっていて、ご高齢でもあったのでもしやとは思っていたのだが。

10年越しのささやかな夢を果たした充実感と同時に、もっと早く来ていればと後悔の念があった。

「この水車はもしかすると開田小学校の前ではないでしょうか?」

若女将さんに言われたとおり私たちは翌日小学校を訪れてみた。正門の前に用水路があって、その脇に年季の入った水車があった。水車の向きや背景で雑誌のものとはなんとなく違うような気もしたが、それはもうどっちでもよかった。ここの風景が気に入ったからだ。そのとき私は10年前にタイムトリップをしていて、かすかに一瞬、早春のそよ風に乗って中村さんの奏でる草笛が聞こえたような気がした。

関連記事:信州釣りテニツアー


posted by チームイワナ初代名誉会長 at 01:56| Comment(1) | TrackBack(0) | 釣り・アウトドア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
掲載しているイワナはどうやらヤマトイワナ(木曽イワナ)ではなかったようです。「自然を考える釣り人の会」の小峰氏からご指摘いただき確認をしたところ、ヤマトイワナの特徴とは合わないようです。ニッコウイワナとのハイブリッドなのでしょうか???
来年にまた本物のヤマトイワナの顔を拝みに開田高原を訪れたいと思います。
Posted by チームイワナ at 2006年10月22日 18:08
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